京畿道の私立大学に通うチョン・ソンギョムさん(25)は「大学生の配達アルバイト」だ。ソウル市松坡区の自宅でオンライン授業を終えると、自転車に乗って配達に出掛ける。チョンさんは昨年11月、ある配達アプリに配達アルバイトとして登録した。チョンさんは「1週間に3、4日配達すれば多いときで30万ウォン(約2万9000円)を稼ぐことができる」と笑みを浮かべる。
コロナにより配達を頼む人が大幅に増えたことで、チョンさんのように自転車やキックボードを利用して配達に出掛けるアルバイトが増えている。コンビニを運営するGSリテールに登録された出前アルバイトは最近7万人を突破した。コンビニの商品などを歩いて配達する「徒歩による配達アルバイト」だ。これらのアルバイトは品物を配達し、3000ウォン(約290円)前後を配送料として受け取る。GSリテールの関係者は「90代のお年寄りも配達アルバイトとして登録されている」と話す。昨日配達を頼んだ人が、今日は配達に出る「出前全盛時代」が到来したのだ。
4月30日午後6時、ソウル市西大門区に住んでいる記者が「クーパン・イーツの配達パートナー」の自転車配達アルバイトとして登録し、「配達を始めてみましょう」というボタンを押したところ、1分もしないうちに配達要請が入った。近くのフライドチキン店からの「配達」だった。受け取り予想額は4400ウォン(約420円)で、その後も1、2分間隔で配達要請があった。同日夕、西大門区は「配達が多い」と表示されていた。
統計庁によると、今年2月のオンライン飲食サービス取引額は1兆8685億ウォン(約1810億円)と集計された。コロナ拡散前の昨年2月(1兆1353億ウォン=約1100億円)に比べ7332億ウォン(約700億円)増となった。同期間、配達アルバイトも大幅に増えた。徒歩でも自転車でも配達できる「ぺミン・コネクト」への登録者数は、昨年1月の1万人から最近は5万人へと急増した。昨年8月、徒歩による配達アルバイトの募集を始めたGSリテールは当初、今年末までに5万人の登録を目標としていたが、8カ月で目標に到達した。