「韓流禁止令」に続く新型コロナウイルスの衝撃で中国で苦戦している「Kビューティー」(韓国製化粧品)が日本では躍進している。嫌韓ムードをさほど気にしない日本の「MZ世代」(1980-2000年代初め生まれのミレニアル世代と1990年代半ば-2000年代生まれのZ世代を合わせた言葉)が韓国の化粧品に目を向け始め、ネイチャーリパブリック、クリオ、ミシャ(MISSHA)など韓国の中小化粧品ブランドが善戦している。
ネイチャーリパブリックは昨年、日本の有力インターネット通販サイトの「Qoo10(キューテン)」と楽天市場に出店した。特に2月から販売を開始したQoo10では主力の基礎化粧品が最初の2カ月で化粧品分野の総合販売首位に立つほどの評価を受けている。おかげでコロナ禍の中でもネイチャーリパブリックは2020年の売上高が前年の7倍に増えた。クリオも昨年、日本のネット通販で200億ウォン(約19億5000万円)、オフラインで150億ウォンを売り上げた。それぞれ120%、54%の伸びだ。
ミシャはオフライン流通を強化し、成果を上げた。多彩なブランド商品を集めて販売する「バラエティーショップ」を集中的に攻略し、3万カ所余りで商品を販売している。昨年は売上高が386億ウォンとなり、前年(383億ウォン)を上回り、コロナ危機を乗り切った。看板のファウンデーション「マジッククッション」は今年に入っても月平均41万個が売れており、例年の販売量を32%上回っている。
これらKビューティーブランドの共通点はブランド名を冠した単独の売り場を思い切って捨て去った点だ。日本の消費者との接点を広げるため、バラエティーショップやネット通販に戦線を拡大した。それらを通じ、年配の世代とは異なり、ネット通販を好む日本のMZ世代を攻略することに成功した。
日本で復活した韓流も一役買っている。昨年からインターネット配信を通じた「第4次韓流」が始まったからだ。ネイチャーリパブリック関係者は「中壮年層が中心だったこれまでの韓流とは異なり、最近の韓流は日本の若い層が反応しているのが特徴だ。日本のMZ世代は政界や極右勢力の嫌韓ムードによる影響をあまり受けない」と説明した。