コロナは世界を三つの階級に分けた。最上位の階級は余裕を持ってワクチンを確保し、集団免疫の道へと進んでいる。次は、ワクチンの確保はできなかったが、同盟や友邦の支援で希望が見え始めた国々だ。最下位の諸国はワクチンメーカーの前で首を長くして待っている。韓国は、世界の最貧国と共にこの最後の列に並んでいる。
カネが有るか無いかの問題ではない。国家指導部の判断力の問題だ。「大国が国際協調に背を向け、国境封鎖・ワクチン輸出統制・買い占めなどでそれぞれ生き残りを図ってばかりいる」と米国に向かって青筋を立ててみたところで、国のありさまがみじめになるだけだ。しかも、この状況で中国を持ち上げるのはなおさら悪手だ。
国家指導者が「すべきこと」と「したいこと」の優先順位をひっくり返したら、国の基本的な枠組みが揺らぐ。三権分立を損ない、国会を多数党独裁の立法機械へと堕落させ、選挙の監視者である中央選管委を不公正な審判にしてしまった。「やりたいこと」の前では自制を喪失する政権だ。検察・公捜処(高位公職者犯罪捜査処)・国家捜査本部は権力の私兵と化し、「ハナ会出身者」が掌握した裁判所は政権の防弾チョッキになってしまった。非正常化された国の基幹組織を正常化しようと思ったら、後日の非正常な措置が避けられない。「非正常の悪循環」だ。