しかしこのような説明には説得力がない。今年3月に米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が日本と韓国を相次いで訪問し、その際に行われた外相・国防相会議(2プラス2)でも同じような現象が起こった。当時米日2プラス2会議後の共同声明には「従来の国際秩序に合わない中国の行動は米日同盟および国際社会に対して政治、経済、軍事、技術面での課題を投げ掛けている」との文言が入ったが、これを含めて中国という言葉は3回も登場した。これに対して韓米2プラス2会議後の共同声明には中国という言葉そのものが登場しなかった。これは中国問題について「一致した立場」を表明できなかったことを示すもので、このような流れが韓米日外相会議にまで続いた可能性が高そうだ。
今後の関心は今月21日にワシントンで開催される韓米首脳会談だ。ある外交官幹部OBは「今外交当局は中国問題が韓米首脳会談の主要な議題とならないよう力を集中しているはずだ」「このままでは韓国が米国と安全保障政策の哲学を共有できない国として認識されないか心配だ」と懸念を示した。金烘均(キム・ホンギュン)元外交部韓半島平和交渉本部長は「来月英国で開催されるG7首脳会議でも中国に対する強い批判が共同声明に盛り込まれる可能性が非常に高いが、これに招待されている文在寅(ムン・ジェイン)大統領がどのような態度を示すか気になるところだ」とコメントした。