中国による在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復、日本商品の不買運動や慰安婦問題などの中でも、韓国、中国、日本の若い外交官たちが10年かけて友情を受け継いできた場所がある。中国の歌「朋友」をカラオケで肩を組みながら歌い、漫画「スラムダンク」のテーマ曲をそれぞれの言語で歌いながらストレスを解消できる場所。それがすなわち韓中日3国協力事務局(Trilateral Cooperation Secretariat、TCS)だ。
人員はわずか30人余りだが、2011年9月に韓中日3カ国の「共同繁栄」というビジョンを実現させるためソウルに設立された「国際機関」だ。韓国、中国、日本の若い職員たちが事務局で勤務しており、各国から外交官や政府職員などが部長などとして派遣されている。組織のトップとなる事務局長は3カ国が2年ずつ交代で担当している。現在は駐韓日本大使館と駐中日本大使館でそれぞれ総括公使と公使を歴任した道上尚史氏が事務局長に就任している。
16日午前10時にソウル市中心部の光化門Sビル20階にある3国協力事務局の会議室を取材した。中国山西省出身の担当官(33)はつい先日まで仁王山、北岳山、雪岳山などに韓国と日本の職員らと共に登山したという。この職員は「雪岳山は幻想的だった」「事務局では食事も韓国や日本の職員たちとほぼ一緒にしている」と語った。
この職員は中国武漢で大学を卒業し、中国によるTHAAD報復が起こる直前の2016年10月に事務局に入った。しかし韓国と中国が激しく対立する政治環境の中でも、職員は「業務を進める中で萎縮するようなことはほとんどなかった」として「(韓中日)フィルムフェスティバルやPDたちのためのプログラムは逆に少しずつ活性化している」と話した。さらに「韓国人のガールフレンドがいる中国人の同僚に恋愛相談をすることもある」と笑って語ってくれた。経済プログラムを担当する日本の長野県出身の職員(35)も「数々の問題点がある中でも、3カ国の地方自治体が進めるプログラムはほとんどぶれることなく続いている」と述べた。昨年7月に韓中日のコロナ感染対策を発表したウェビナー(インターネット上で行うセミナー)は70カ国から9000人が視聴するほど大きな人気を集めた。