米国で、アジア系に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が連日相次いでいる。韓国系在住者などアジア系の人々はできるだけ外出を控え、公共交通機関の利用を控えるなど、不安を訴えている。中高年の韓国系の中には、韓国への「逆移民」を検討している人も増えているという。
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米南東部のノースカロライナ州で先月末、韓国系夫婦が経営するコンビニエンスストアに、黒人の若い男が道路標識板の柱と見られる鉄の棒を手に入ってきて、これを振り回し器物損壊事件を起こしていたことが3日(現地時間)、明らかになった。店内の防犯カメラ映像を見ると、この男は「クソ中国人たちめ、自分の国に帰れ」とののしり、自分が壊した冷蔵庫から飲み物を出し飲んだ。男は出動した警察官に現行犯逮捕された。
米西部のワシントン州では、50代の韓国系夫婦が昨年11月、白昼に路上で初めて見る黒人ら10代の若者たち数人に暴行され、夫は肋骨(ろっこつ)が折れていたことも3日、分かった。当時の動画によると、道を歩いていたこの夫婦を黒人の少年数人が殴り、妻が「助けて」「やめて」と叫んでも暴行を加え続けていた。このうち15歳の少年が警察に逮捕され、第2級暴行で起訴された。
これより前、ニューヨーク・マンハッタンの観光名所セントラルパークでも、日中に30代のアジア系夫婦が5歳の息子を連れて散歩していた時、黒人の男に暴力を振るわれていたことが今月1日、分かった。夫は目にあざができ、顔の骨を折った。この男は「お前はなぜマスクがあるんだ。東洋人はいつも有利だ」と言って、拳で殴ったという。
一方、平昌冬季五輪スノーボード金メダリストで韓国系米国人のクロエ・キム選手(20)は、人種差別の恐怖から、護身用の武器を持ち歩いていると明らかにした。キム選手は2日、報道機関とのインタビューで、「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて、『白人の少女たちから金メダルを奪うな』『間抜けな東洋人』といったヘイトのメッセージが一日に数十通来る。私は外出するたびに、小さなカバンにスタンガン、催涙スプレー、護身用ナイフなどの武器を入れている。人が多い所でなければ、一人でどこにも行かない」と語った。