野党がソウル市長補選の候補一本化に向けた世論調査のルールで激しく対立したのは、電話世論調査を巡る問題だった。呉世勲(オ・セフン)候補は「有線電話(固定電話)を使う有権者がまだいる」として、標本に10%含まれるべきだと主張。安哲秀(アン・チョルス)候補は「有線電話の回答者の偏向性が懸念される」とし、「無線電話(携帯電話)だけで調査を行うべきだ」と主張した。有線電話を使う保守傾向の高齢者によって、有利不利が変わってくるという計算が働いた。
野党の候補一本化は結局、双方の合意に従い、「無線電話100%」で行うことで決着した。しかし、世論調査標本の有線電話と無線電話の比率を巡っては論争の火種が残っている。今後も各調査会社が政党支持率、大統領支持率を調べる際、有線電話と無線電話の割合は一定しないはずだ。そのたびに「有線・無線の割合のせいで不利だ」という論議が起きそうだ。来年の大統領選でも各政党の候補公認または第3勢力との候補一本化の過程で再び論争となる可能性が高い。
今回は「今の世の中、携帯電話を使わない人はいない」という主張が優勢となり、野党が無線電話100%での調査に合意したが、世論調査に有線電話を含める理由を無視することは難しい。有線電話の加入者数は約1300万人で、人口全体の25%前後とされる。学者の中には「加入者数の面では無線電話方式が好ましいが、回答者が調査に臨む環境という面では有線電話方式が優れている」とし、「有線・無線による調査の回答結果が異なる場合には、有線電話による回答を一定程度反映するのが望ましい」とする見解もある。