ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が2日間の日程で行われた中国訪問を終え、23日から3日間、韓国を訪れる。ラブロフ外相の韓国訪問は2009年の南北連携訪問以来、12年ぶりだ。先週の韓米外交・国防閣僚会合(2プラス2)で韓国が米国の反中連帯から一歩下がる姿を見せた直後に行われる今回の訪問に、外交関係者らは注目している。人権問題に触発された「米国対中ロ」の新冷戦の構図において、中ロが韓米間の溝を掘り下げる模様が演出されかねないからだ。中ロは米国のインド・太平洋連帯において、韓国を「弱い環」と認識している。
ラブロフ外相は22日、中国メディアのインタビューで「米国は他国の発展を阻止するためのイデオロギーを広報している」とし「ロシアと中国は米国からの独立を強化する必要がある」と語った。その上で「中ロはドルの国際決済システムから抜け出す必要がある」と発言した。ラブロフ外相が言及した、米国の利用する「イデオロギー」とは、まさに人権のことだ。ロシアが中国と力を合わせて米国の人権攻勢から抜け出し、究極的にはドル体制も崩そうという提案をしたのだ。
米国のジョー・バイデン政権が発足した後、米国は人権を媒介として同盟諸国を糾合し、中ロをきつく責め立てている。バイデン大統領は最近のインタビューで、ロシアのウラジミール・プーチン大統領を「殺人者」と呼ぶかという質問に「そうだ」と答えた。
中ロは今回の会談をきっかけに、米中高官級会談の結果を共有するといわれる。今後、ラブロフ外相が韓国でどのようなメッセージを送り出すかが、「中ロの対米共同戦略」が何なのかを知り得る糸口になるものとみられる。
ラブロフ外相の訪韓は、表面的には修好30周年記念行事のためだが、コロナ拡大の勢いが依然として収まっていない状況での3日間の訪問は、外交的・政治的なラブコールを送っているものと解釈するほかない。ラブロフ外相は、24日には「韓ロ相互交流の年」行事に出席し、25日には韓国外交部(省に相当)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官と会談を行う。