「株取引をしない週末は早く過ぎ去ってほしい」「株式のためにカネを借りたり、周囲にうそをついたりしたことがある」「株式売買のために大事な用事や余暇活動を放り投げたことがある」--。これらは全て「株式中毒」の兆候だ。コロナ以降、麻薬やギャンブルのように株式にはまり、株式中毒の症状を訴える20代が急増している。
韓国賭博問題管理センターによると、昨年株式中毒の症状で同センターを訪れた人は1732人で、前年(1008人)に比べ72%増えたという。最も目立つのは20代の中毒者だった。前年には20代の株式中毒相談者は73人にすぎなかったが、昨年には236人へと3.2倍に増えた。同センターのシン・ヘンホ・ソウルセンター長は「株式を財テクまたは投資と考えるケースが多いが、株式も自分で調節ができないところまで没頭すれば中毒になる」と指摘した。
専門家は株式投資が賭博と似た属性を持っていると語る。同センターのオ・ウンギョン相談員(51)は「株式中毒に悩む人は株式が上がるとすぐに報いを求めて売り、株式が下がると元手を取り戻すために借金をしてまで投資を行う」とし、「いずれも賭博が持つ特性だ」と指摘した。株式中毒に陥った会社員には週明けに出勤したくない「月曜病」はない。株式投資関連のインターネット掲示板には「取引が休みなので、旧正月連休が楽しくなかった」「早く月曜日になって株取引をしたい」など「中毒症状」を示す書き込みが多い。
「株式中毒」は離婚理由にもなる。ファン・ソンヒョン弁護士は「夫の行き過ぎた株式投資のせいで婚姻関係が破綻に至ったという妻の主張を裁判所が認めた例がある。損失額を気に留めず投資に没頭し、家庭生活をないがしろにする態度が問題だった」と指摘した。また、「最近3カ月に仮想通貨、株式投資が離婚理由になるかという問い合わせが以前の約10倍に増えた」と話した。