17日に開催された国際会議で、韓国政府に対し「米中間の綱渡り外交は終わった」とする警告の声が相次いだ。金烘均(キム・ホンギュン)元韓国外交部(省に相当、以下同じ)韓半島平和交渉本部長は、バイデン大統領が公約として掲げた「就任1年目の民主主義首脳会議」について「広範囲な対中国戦線が構築される可能性が高い」とした上で「韓国は米国によるインド・太平洋戦略、クリーンネットワーク、クアッドへの参加などに曖昧な態度を取り続けてきたが、それでも特に問題なくやり過ごしてきた。今後はこのような綱渡り外交はこれ以上通用しないだろう」と指摘した。かつて韓国国防部長官を務めたKRINS(韓国国家戦略研究所)の韓民求(ハン・ミング)院長も「今後は韓国も地域での協力に積極的に乗り出すべきだ」と主張した。
金塾(キム・スク)元国連大使は「中国とのデカップリング(断絶)は世界の全ての国にとって難しい選択であり、韓国は地政学的特性からより一層難しい」「しかし戦略的模糊(もこ)性は長く続けられないので、最終的には決断を下すべき瞬間が来る。その決断は外からの圧迫ではなく、徹底して国益と安全保障が基準にならねばならない」と主張した。ソウル大学のパク・チョルヒ教授も「戦略的曖昧さの維持は韓国の戦略的選択に対する誤解と不信を広めかねない」「体制と価値観を共有する米国と協力する態度を示す戦略的明確性を持つべきだ」と主張した。
「同盟国が抱いている中国からの報復への懸念は米国が解消すべきだ」との声も出た。米国平和研究所のパトリシア・キム上級政策分析員は「中国からの経済・外交・軍事的圧力に直面する同盟国をいかに安心させるかをバイデン政権は真剣に考えねばならない」と指摘した。米ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は「韓国は中国の反感を恐れて南シナ海における航行の自由作戦への参加を見合わせてきたが、今後はもっと大きな役割を果たせるはずだ」と主張した。