現代自動車は10日、歩き回る無人自動車「タイガー」をユーチューブで公開した。同社が米シリコンバレーで運営している「ニュー・ホライゾンズ・スタジオ」が製作したものだ。
タイガーは「変身する知的地上移動ロボット(Transforming Intelligent Ground Excursion Robot)」の略だ。全長80センチメートル、幅40センチメートル、重さ12キログラムの車体には4本足と車輪が付いている。平たんな地形では四輪駆動車として車輪で走り、険しい場所では4本足のロボットに変身して歩く。ロボットの足で常に水平を維持することができ、高性能スポーツタイプ多目的車(SUV)でも行くことができない険しい場所にも到達できる。車体は緊急現場への緊急補給品輸送、奥地への商品配送、さまざまなセンサーを活用した科学探査・研究などに応用できるように設計された。前進、後退だけでなく、左右にも容易に方向を転換できる。
2019年のIT業界展示会「CES」で現代自が初公開した歩く自動車「エレベート」が人を乗せるモデルなのに対し、今回公開されたタイガーはより小型で貨物だけを載せる想定で設計された。
エレベートとタイガーはいずれもロボット工学専門家のジョン・ソ常務が2015年から進めてきたプロジェクトの成果だ。4年以内に高度化した試作品を生産することが目標だ。副会長時代の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長が「自動車とロボットを結合してみよう」と述べたアイデアが出発点になった。現代自はタイガーをオープンイノベーション方式で開発している。人工知能(AI)ベースのエンジニアリング設計企業「オートデスク」とコンセプトデザイン専門企業「サンドバーグ・フェラー(Sundberg-Ferar)」と協業した。ソ常務は「未来のモビリティー概念を新たに定立するプランを絶えず模索している」と述べた。