白雲揆(ペク・ウンギュ)元産業通商資源部長官が月城原子力発電所1号機に対する監査院の監査が行われていた昨年2月、青瓦台に送る「救命要請の書簡」を作成していたことが31日までに分かった。手紙には「監査院の監査がこのまま行われれば、検察の捜査につながる可能性が高い。関心を持って対処すべきだ」とする内容が含まれていたという。事実上青瓦台に警告のメッセージを発する内容だ。
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産業通商資源部などに対する本紙取材を総合すると、白元長官は辞任から5カ月後の昨年2月、産業通商資源部で部下だったJ課長(在宅起訴)、K書記官(起訴、収監中)に問題の書簡の作成を指示した。その後、J課長とK書記官は18年当時に産業通商資源部原電産業政策課で直属の上司だったM局長(起訴、収監中)に書簡の内容を見せた後、白元長官に渡したという。
文書作成に関与した人物は、月城原発1号機の「経済性縮小疑惑」に対する検察の捜査が本格化した場合、重要な捜査対象になる「4人組」だった。特に白元長官が辞任後にそうした書簡を書かせたことは、監査院の監査がかなり進んでいることに気づいたためとされる。当時監査院は産業通商資源部などに対する立ち入り検査を20年1月に終えた後、資料分析に入った状態だった。M局長、J課長、K書記官は19年12月1日、深夜に原電産業政策課のパソコンに保存されていたファイル530件を削除し、監査を妨害した事件の共犯であり、白元長官もそれに関与した疑惑が持たれている。
白元長官が書簡を青瓦台に送ったかどうかは確認されていないが、その後監査院が監査結果を取りまとめるのに苦労した点からみて、「救命要求の書簡」がどんな形であれ作用したのではないかとみられている。
監査院は昨年10月、「産業通商資源部が結論ありきで月城原発1号機の経済性評価を引き下げる過程に介入し、資料廃棄など監査妨害があった」という趣旨の監査結果を発表。数日後、7000ページにわたる監査資料を検察に提出した。しかし、結論を出すまでには一部の与党寄りの監査委員から強い反対があったという。昨年4月には監査委員会会合に監査報告書が上程されたが、意見が分かれ、再調査が行われ、監査担当局長が交代した。与党は調査が強圧的だったとして、監査実施を問題視した。