国民権益委員会が4日から金学義(キム・ハクウィ)元法務部次官に対する違法出国禁止措置に関連し、4回も公益目的の情報提供を受けながら、情報提供者を「公益申告者」に指定して保護する法的手続きを先延ばしにしていることが26日までに分かった。権益委は同日、「情報提供者が保護を受けるためには、情報提供者の条件だけでなく、各規定に従った追加的な保護条件を満たさなければならない」とする報道資料を出し、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に捜査を依頼すべきかどうか検討を開始したと説明した。法曹界からは「与党議員が違法出国禁止事件の公捜処送致を主張した翌日、権益委がそれに応じる報道資料を出した。権益委は与党の顔色をうかがっている」と批判の声が上がっている。
公益申告者保護法9条は、権益委が情報提供の内容を確認後、直ちに調査機関または捜査機関に事件を送致することになっている。この事件の情報提供者によると、今月4日に最初の情報提供を行って以降、追加で受理された3件の情報提供は26日現在、権益委のウェブサイトで「審査中」となっている。情報提供者は証拠隠滅を懸念し、速やかな事件送致を求めたが実現していない。
情報提供者はまた、「権益委が遅れて公捜処送致をを検討するのもおかしい」と述べた。提供者によると、今月4日の情報提供時に提出した公益申告書で公捜処への事件装置を求めたが、当時権益委の担当者は「公捜処長が任命されても捜査官選抜まで数カ月かかる可能性があり、公捜処への送致は難しい」と話したという。情報提供者は「そう言っていた権益委は与党政治家が25日に公捜処送致が妥当だと発言するや、『検討中』という報道資料を配布した」と批判した。