韓国政府は18日、李明博(イ・ミョンバク)政権が4大河川事業として建設した錦江、栄山江の堰5カ所のうち、2カ所を解体、1カ所を部分解体、2カ所を常時開放する案を発表した。政府は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「4大河川の堰解体および常時開放」を前回大統領選の公約として掲げてから3年8カ月で処理案が最終的に決定した。
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大統領直属の国家水管理委員会は同日、丁世均(チョン・セギュン)首相が会合を開き、「錦江・栄山江堰処理方案」を審議、議決した。同委は錦江の世宗堰、栄山江の竹山堰の全面解体を決定。解体時期は自然性の回復という長期的目的などを考慮して定めるとした。堰の解体によって水質や生態系への影響がどのように表れるか不明な状況でひとまず解体を決めた格好だ。
また、錦江の公州堰は上部橋梁の公道橋を維持する条件で部分解体され、錦江の百済堰、栄山江の昇村堰は常時開放することになった。常時開放は文字通り、堰の水門を年中開放することを意味し、堰に水をためて渇水時に備える堰の機能を完全に無力化する措置だ。堰を撤去したり、常時開放したりすれば、堰の周辺で地下水の水位が低下し、農業用水などの供給に支障が予想されるが、それでも押し切る構えだ。
今回の決定は2019年2月に4大河川事業の反対論者が中心となる「環境部4大河川調査・評価企画委員会」が発表した内容と同一だ。その後、政府は2年余りにわたり、堰の解体および常時開放に伴う水質、生態系への影響を調査した。しかし、堰の解体を最終決定した同日も水質改善などの効果を明確には提示できなかった。梨花女子大環境工学科の朴錫淳(パク・ソクスン)教授は「環境団体の顔色をうかがう現政権が取り返しのつかない政治的な意思決定を下した」と指摘した。