中国共産党中央政法委員会(中央政法委)が最近、(中国がキムチを中国の伝統文化に組み込もうとする)いわゆる「キムチ工程」騒動について「韓国の文化的自信のなさに起因する被害妄想」と主張した。
これは、中央政法委が13日、中国のメッセンジャーアプリ「微信」(WeChat、ウィーチャット)の公式アカウントに投稿した「リー・ズーチーのキムチづくりが韓国のネットユーザーから袋だたきに遭っている:最初(のもの)を作った中国は戦わなければならない」と題する文章の中で述べたものだ。
中央政法委は、韓国が「キムチは韓国のものであり、干し柿も韓国のものであり、端午の節句も韓国(と言っている)」として「結局、ことごとく言い掛かりを付けてくるのは自分に対する自信のなさから生まれる不安のせいだ。自信がないと疑い深くなり、さまざまな被害妄想が生まれるのだ」と韓国を侮辱した。
中央政法委は、華春瑩・中国外務省報道官が先月1日、韓中のキムチ起源論争についての質問に「そのような論争があったのか」と問い返したことに言及し「外務省報道官の落ち着いた答弁は、自信があるからこそ可能なこと」と主張した。さらに「我々がこのような根拠のない言い分を笑って受け流すことができるのは、ひとえに真の文化的自信と力のおかげ」と述べた。
中央政法委はまた「キムチは中国5000年の輝く文化の中の九牛一毛(多くの中の極めてわずかな部分の例え)にすぎない」とも述べた。
さらに「我々はこのような文化遺産それ自体と、多くの『最初』を創造するための中国の革新精神を保護しなければならない」とした。
中央政法委は「何かを最初に発明したということは、スタートの時点で勝ったということを意味するが、決して永遠にリードできるという意味ではない」として「発明品を保護するために、我々は革新精神を保護しなければならない」と主張した。
中央政法委は「現在の世界は、わずか1世紀の間に大きな変化を経験しており、中国は国内・国外の環境で奥深く複雑な変化に直面している」「過去のどの時代よりも革新という第1動力を強化しなければならない」と強調した。
その上で「我々は、膨大な歴史の多くの先祖たちのように、激しい国際競争の中で単独行動主義(ユニラテラリズム)と保護主義など幾重もの障害物を乗り越えて未来のチャンスを先取りしなければならない」と強調した。中央政法委「これこそが、我々が必ず勝ち取らなければならない第一のもの」「中華民族の中にある創造精神によって、偉大な復興を実現しなければならない」と述べた。
中国は最近、キムチを自国の伝統飲食文化に取り込もうと露骨な動きを見せている。環球時報は昨年11月、野菜の塩漬け「パオツァイ(泡菜)」が国際標準化機構(ISO)の標準認証を受けたことを韓国のキムチと結び付け「キムチ宗主国の恥辱」と報じた。
中国の張軍・国連大使が今月3日、キムチを自ら漬けてPRする写真をツイッターに投稿したことも後日明らかになった。写真では、エプロン姿の張大使が料理用の手袋をはめて、漬けたばかりのキムチを手にしてポーズを取っていた。張大使はキムチを容器にぎっしり詰め込んで、親指を立てるポーズも見せた。これは最近物議を醸している中国の「キムチ工程」騒動の渦中に投稿されたため、注目を集めた。
1400万人のチャンネル登録者をかかえる中国のユーチューバー、リー・ズーチーさんは今月9日、自身の動画で、白菜を塩漬けにしてヤンニョム(合わせ調味料)を塗り込むという韓国の伝統的なキムチ漬けを実演しながら「中国の食べ物」「中国の料理法」と紹介し、物議を醸した。