新型コロナウイルスによる景気低迷にもかかわらず、昨年は韓国の農産物・食品の輸出規模が過去最高を記録したことが分かった。「フルーツ味即席麺」や「ビーガン(菜食主義者)向けキムチ」など韓国では目にしない現地向けの商品を企画した成果だ。
農林畜産食品部によると、昨年の農産物・食品の輸出額は前年比7.7%増の75億7000万ドルで過去最高だった。キムチ、果物などの生鮮農産物、即席麺やコチュジャン(唐辛子ペースト)など加工食品が共に輸出を伸ばした。生鮮農産物の輸出は3.4%増の14億3000万ドル、加工食品の輸出は8.8%増の61億4000万ドルでいずれも過去最高だった。
特に対米輸出が12億1000万ドルとなり、対中輸出(11億4000万ドル)を上回った。2007年以来13年ぶりだ。昨年は対米輸出が38%急増したのに対し、対中輸出は2.9%増にとどまった。
昨年の韓国の輸出は全体で5.4%減の5128億5000万ドルとなり、2年連続でマイナスだった。こうした中、「Kフード」の輸出が過去最大を記録したことについて、農林畜産食品部は「徹底した現地化努力が通用した」と評した。
例えば、菜食主義者向けキムチ、缶入りキムチなどを開発したのが好評だった。昨年のキムチ輸出は1億4450万ドルで、前年比37.6%伸びた。韓国を代表する加工食品である即席麺も現地の好みに合わせた。例えば、米国では韓国産ロブスター味、フルーツ味の即席麺が売れている。
コロナがむしろKフードの輸出拡大につながったとの分析もある。世界的に健康に対する関心が高まり、高麗人参類の輸出が9.3%増えた。ステイホームが広がり、コメ加工食品(米飯加工品、トッポッキ、かゆなど)も即席食品として人気を集め、輸出が26.7%増えた。韓流で韓国の食文化が人気を集めたことも大きかった。農林畜産食品部関係者は「韓国料理を自分で作ってみようという外国人が増え、コチュジャンの輸出が35.2%増えるなど、味噌・ペースト類の輸出が1000万ドルに迫る規模に成長した」と述べた。