「韓国、恥ずべき日」 国際社会も対北ビラ禁止法を批判

韓米関係への悪影響を懸念する声も

「韓国、恥ずべき日」 国際社会も対北ビラ禁止法を批判

 韓国国会で14日、いわゆる「対北ビラ禁止法」(南北関係発展法改正案)が可決される中、米国をはじめとする国際社会から批判の声が殺到している。前・現職の官僚、有識者、シンクタンク関係者、国際人権団体、韓半島専門家などが一斉に今回の法案に対して問題を提起している状態だ。今後の韓米関係に悪影響を及ぼすとの懸念も出ている。

 与党「共に民主党」が国会で野党の反対を押し切って採決を強行したこの法案は、ビラ散布などによって南北合意書に違反した場合、3年以下の懲役または3000万ウォン(約285万円)以下の罰金を科すとしている。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が今年6月、談話で対北ビラに対する不満を表明すると、韓国政府と与党の主導によって同法案が一気に推進された。

■米国の各界から批判殺到

 米国務省の前・現職の官僚たちは、今回の法案を強く批判した。ロベルタ・コーヘン元国務次官補代理(人権担当)は14日(現地時間)、米政府系放送局「ラジオ自由アジア(RFA)」のインタビューで「金正恩(キム・ジョンウン)の指導力を強化し、北朝鮮住民の孤立を深めるだけだ」と述べた。これに先立ち、信教の自由を担当するサム・ブラウンバック大使、国際刑事司法を担当するモース・タン大使など国務省の高官らも「このような法を可決することは誤り」「問題が深刻だ」と批判している。

 今回の法案の問題点を提起し続けてきたワシントンのシンクタンクや学界からも、懸念の声が上がった。米国の北朝鮮人権委員会(HRNK)のグレッグ・スカラトー事務総長は「極めて限定的な情報流入手段の一部を禁止するというのは未来の南北統一のためにも決して望ましいことではない」と述べた。ケン・ゴス米海軍分析センター局長は「韓国政府は南北対話の再開の道を開くものだと考えているようだが、そうはならないだろう」と指摘した。

 米国の北朝鮮分析家として2017年に「アクセスDPRK」と題する地図を制作したジェイコブ・ボグル氏はツイッターで「反人権的な法によって暴政(tyranny)と戦うことはしない」と主張した。対北朝鮮専門家のジョシュア・スタントン弁護士は「平壌がソウルを相手に力自慢をした」として「対北ビラに終わらないだろう」と述べた。談話を通じてビラを非難していた金与正氏ら北朝鮮指導部が、今後さらに強い要求を突き付けてくるという意味に読み取れる。

 米国以外からも批判の声が殺到した。英国リーズ大学の韓半島専門家、アイダン・フォスターカーター博士は「恥ずべき日」と述べた。オランダ・ライデン大学のレムコ・ブルカー韓国学科教授も「非常に懸念される展開」と述べた。

■韓国が信頼できる国1位は米国、警戒すべき国は?

キム・ウンジュン記者
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