新型コロナウイルスのため来年に持ち越された東京五輪は、「再建と復興」のための日本の勝負手だ。日本は五輪で「失われた20年」と呼ばれる景気後退に終止符を打ち、東日本大震災や福島原発爆発事故の後遺症を克服し、再び国際舞台への飛躍を望んでいる。五輪関連観光客850万人、国内総生産(GDP)600兆円、東京全体の「5Gスマートシティ」化など、あらゆる期待もあふれている。
東京五輪については新型コロナ前も不協和音があった。昨年の夏、日本政府が福島の食材を選手団に供給し、原発事故現場近くの競技場でも一部競技を開催すると発表した時のことだ。「福島が受けた傷を乗り越えよう」というメッセージ性の観点からだったが、米国や英国など一部の国々のメディアでは、すぐに放射能関連の安全性問題を取りざたした。当時の安倍首相はこうした懸念を払しょくするとして、「毎日福島の米を食べ、水を飲んで総裁3選を果たすことができた」と言った。
当時、「放射能五輪」を浮き彫りにしたのは我が国の与党だ。歴史問題・輸出規制問題の確執局面で反日扇動を率先し、「竹槍歌(竹槍を手に日本軍に反乱を起こした東学軍を題材にした歌)」を歌った共に民主党は、東京五輪の競技場が放射能影響圏にあるという地図を公開し、「五輪ボイコットを協議する」と言った。議員らは「放射能五輪反対」というポスターを相次いでソーシャル・メディアに掲載した。「日本が歴史問題で謝罪しなければ、全世界の良心が五輪ボイコットをするだろう」「経済戦犯国に平和の祭典を主催する資格はない」と五輪反対の声を上げた。