【社説】青瓦台・金融監督院職員がライム詐欺師の手足に、捜査依頼さえ行わなかった金融監督院

【社説】青瓦台・金融監督院職員がライム詐欺師の手足に、捜査依頼さえ行わなかった金融監督院

 顧客の資金から1兆6000億ウォン(約1500億円)もの損失を出したライム資産運用事態が明るみに出た直後、この事件を捜査していた金融監督院の先任監査役がソウル江南のルームサロン(女性が接待するナイトクラブ)で、ライムに対する検査計画書を青瓦台行政官のキム某氏に手渡していた事実が明らかになった。直後にキム氏はルームサロン横の部屋にいた同郷で主犯のキム・ボンヒョン氏にこれをそのまま渡した。その結果、ライム詐欺団は金融監督院による検査計画を手のひらを見るごとく把握し、回避に向けた対策やロビー活動の方法を検討することができた。金融詐欺を阻止し、詐欺行為を摘発すべき金融監督院と青瓦台の職員が、詐欺師の手足となって動いていたのだ。

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 もし金融監督院がライム事態に早期かつ適切に対処していれば、その被害の多くは抑えることができたはずだ。ところがこの衝撃的な犯罪行為に加担した先任監査役に対し、金融監督院はわずかな「減俸」という軽い懲戒で終わらせた。懲戒解雇を含む重い処罰はもちろん、検察に捜査を依頼すべき重大な事案にもかかわらず、内部での軽い処罰で終わらせたのだ。検査計画書流出というこの衝撃の事実は6カ月前に検察の捜査ですでに摘発されていたにもかかわらず、金融監督院は何も対処してこなかったのだが、ファンド事態が深刻になった今月初めになってやっと減俸の処分を下した。この事実についてさえも口を閉ざしていたところ、先週の国政監査で野党議員が疑惑を提起し公表された。このような事態を招いた理由は他でもない、ライム事件に青瓦台と金融監督院が関係している事実を隠すためだ。

 今回のように金融監督院の職員が犯罪者と共謀するなど、前例のない事態だ。尹碩憲(ユン・ソクホン)金融監督院長就任後、金融に関する問題が次々と明るみに出ているが、どれも民間金融機関の役員に懲戒処分を下してふたをするといった対応が繰り返されている。内部での摘発にも失敗したことで、金融監督院はすでに落ちるところまで落ちてしまった。もはや金融監督院ではなく「金融犯罪院」だ。

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