米アップルのスマートフォン、iPhoneに対する韓国製ディスプレーの独占供給が崩れた。
台湾紙デジタイムズは20日、中国のディスプレー大手、京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)が今月下旬からアップルに「iPhone12」向けの6.1インチ有機発光ダイオード(OLED)パネルを納入すると報じた。来年には納入量が増える見通しだという。中国メディアもBOEがiPhone12ミニ、iPhone12のパネル予備分を納入することになったと伝えた。
■世界競争力ランキング1位はシンガポール、韓国23位、中国は?
BOEはこれまで中国通信設備大手、華為(ファーウェイ)にスマートフォン用の中小型OLEDパネルを納入してきた。しかし、米国の制裁で華為のスマートフォン生産に支障が出たため、BOEも他の供給先を模索しなければならなくなった。BOEはアップルと接触したが、品質テストで毎回不合格とあった。今回BOEは歩留まり率が低い生産ラインを入れ替え、アップルに再挑戦し、品質検証をようやくパスしたという。
韓国のディスプレー業界は「BOEによるアップルへの納入分は少量であり、修理交換用である可能性が高い」と判断しながらも緊張している。これまでiPhoneにはサムスンディスプレーの中小型OLEDパネルが搭載されていた。今年アップルはiPhoneの4モデルを発売し、1モデルにはLGディスプレーの製品が採用された。そこにBOEが加わり、韓国のディスプレーメーカーによる独占体制が崩壊した。iPhone13ではBOEが納入量を大幅に増やす可能性もある。BOE幹部は先月、「5年以内にOLED市場で40%以上のシェアを獲得する」と述べた。市場調査会社ストーン・パートナーズによると、今年7-9月期のフレキシブルOLEDパネル市場でのシェアはサムスンディスプレーが72.6%で圧倒的首位で、2位のBOEは12.9%だった。