14日(現地時間)に米国ワシントンで開かれた韓米安保協議会(SCM)は、このところ急激に揺らいでいる韓米同盟の「今」を赤裸々に見せてくれた。韓国の徐旭(ソ・ウク)国防相が「戦時作戦統制権(統制権)の移管条件を早期に備え、韓国軍主導の連合防衛体制を抜かりなく準備したい」として「速やかな移管」を強調すると、米国のマーク・エスパー国防長官はすぐに「全ての条件を完全に充足するには時間がかかるだろう」と、異なる意見を言った。一方、防衛費問題を巡って米国側は「共同防衛の費用が不公平な形で米国納税者に負わされてはならない。韓国もわれわれの集団安全保障に、より多くの寄与をすべき」と迫った。共同声明では、昨年は含まれていた「在韓米軍の現水準の維持」という文言が抜けていた。各事案ですれ違いが生じ、共同記者会見は突然キャンセルされた。
同盟関係であっても常に意見が同じということはあり得ない。だが、同盟の根幹となる問題を巡って深刻な対立が公に、持続的に表出するというのは別次元の話だ。統制権移管は、6・25戦争以来の、韓米同盟を基盤として固めてきた韓半島の安全保障の根本的枠組みを変える重大な変化だ。移管後も対北抑止力、対応体制に一寸の傷もあってはならない、という条件が最優先だというのは多言を要しない。ところが北朝鮮との平和ショーに執着する韓国政府は、力量の評価もきちんとなされていないのに、政権の任期中に移管を済ませたいとして米国側との摩擦も辞さない。韓国軍の合同参謀本部議長は「諸条件によって統制権移管が遅延する場合、修正・補完して『タイムベース』で行く」とも発言した。韓国国民の生命と財産を守るべき韓国軍の責任者が、どうして安全保障よりも政権スケジュールの方を先に考えるのか。
速やかな統制権移管という韓国の要求に対し、米国側からは「特定の時限を定めて移管すると約束するのは、われわれ(米国)の軍隊と国民を危険にさらしかねない」という、警告を込めたメッセージまで出た。相手のせいでさらに危険になると考えるのであれば、同盟といえない。こうした対立を第一線で鎮火し、管理すべき駐米大使は「米国を選択しなければならないわけではない」と、むしろ火に油を注いでいる。これでも韓米同盟が健在であるなら奇跡だろう。