ドイツのベルリンに建てられた「平和の少女像」が日本の外務省のロビー活動で撤去の危機に置かれると、現地の民間団体が少女像の守護に乗り出した。「政府が関与する事案ではない」と言っていた韓国外交当局は、世論が悪化すると、遅まきながら対応に乗り出すことが分かった。日本が茂木敏充外相まで乗り出してドイツを相手に早くから外交戦を繰り広げたのとは対照的だ。反日を国内政治に利用したという批判を受けてきた韓国政府が、肝心の外交力が必要な事案では「手をこまねいている」という指摘がなされている。
ドイツ国内の民間団体「コリア協議会(Korea Verband)」は先月25日、ベルリンのミッテ区に区庁の許可を受けて少女像を建てた。しかし今月1日、日本がドイツ外相に電話をかけて問題提起すると、ミッテ区は今月7日、少女像を撤去せよという命令を下した。「14日までに自主撤去しなければ強制的に取り外す」とも通告した。
これに対しコリア協議会は「間もなくベルリン行政裁判所に、撤去命令を停止させてほしいという仮処分申請を出す予定」と表明した。また、ドイツのオンライン請願サイトでは少女像撤去反対請願運動が始まり、12日午後3時(韓国時間)現在で2780人が署名した。署名者の70%以上がドイツ在住の人々だ。現地の在留韓国人やドイツ人らは13日、現場で集会を開く計画だ。韓国人でゲアハルト・シュレーダー元首相夫人のキム・ソヨン氏も、夫婦名義でミッテ区長に公開書簡を送り、少女像撤去命令の撤回を要請した。シュレーダー夫妻は書簡で「ドイツはナチスの歴史を清算し、全世界の尊敬を受けているのに、日本の戦争犯罪の隠蔽(いんぺい)に加担してはならない」とし「残忍な暴力の犠牲者として苦痛を受けた慰安婦ハルモニ(おばあさん)たちの痛みを見捨てる反歴史的決定」と主張した。