菅氏は本来、韓国には好意的だったという。朴槿恵(パク・クンヘ)政権当時はイ・ビョンギ大使、柳興洙(ユ・フンス)大使(当時)の招待を受け、公邸で何度か食事をしたこともある。参鶏湯が好きで、済州島にゴルフ旅行に行ったこともあるそうだ。二人の大使とはメールをやりとりするほど親しかった。ところが文在寅政権が発足すると、このような関係は続かなくなった。菅氏に近いある消息筋は「菅首相は最初から韓国を刺激する考えはないが、現金化が現実となるか、あるいは(韓国側が)何らかの問題を起こしてくれば、絶対に避けたりはしないだろう」と予想した。
菅氏は北朝鮮に対しては「安倍首相以上に強硬」という見方も聞こえてくる。菅氏は、北朝鮮と日本を行き来していた万景峰号が朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)と連携して違法行為を続けてきたとにらみ、港湾法改正など厳しい対策を主張しこれを貫徹してきた。一時は拉致問題担当相も兼任するなど、日本人を拉致し、北朝鮮住民を飢え死にさせる金正恩(キム・ジョンウン)政権を強く嫌悪しているという。日本で官僚たちがしっかりと仕事をこなせないとき、菅氏は「もしここが北朝鮮だったら、あなたは銃殺されている」と厳しく叱責(しっせき)したこともあるそうだ。