この陳情書の結果は20カ月も経った後に出た。人権委は2日、W氏の陳情に対する決定文を、被陳情人であるK氏と、K氏が所属している機関のトップである康京和(カン・ギョンファ)外交部長官あてに送ったと明らかにした。
人権委は外交部に送った決定文で、「事件処理手続き上の問題があると見るのは難しいが、事件序盤に加害者・被害者間の隔離措置が不十分で、在外公館人事委員会の構成、セクハラ調査・処理手続き規定指針のマニュアル不在など、処理の過程で一部が不十分だった」と指摘したという。
このため、在外公館でセクハラが発生した時の調査・救済過程において、公正性が担保されたマニュアルを用意・施行するなど、適切な対応を外交部に勧告した。人権委はK氏に関しては不適切な身体接触行為をセクハラだと認定、「被害者に一定の金額を支払うように」と勧告したとのことだ。人権委は支給額まで特定したと伝えられている。
外交部当局者は「人権委の勧告を2日に受け取った。関連内容を綿密に検討し、必要な措置を取っていく予定だ」と述べた。
人権委の勧告を受けた外交部とK氏は、今後90日以内に人権委に履行措置計画を通知しなければならない。
康京和長官は同日、別途のコメントを出さなかった。だが、同長官は先日、国会外交通商委員会の会議に出席した際、「今回の事件で責任を取る」と述べている。
今回のセクハラ事件は外交部のずさんな対応などで発生から2年余り過ぎても円満に解決せず、今年7月28日にニュージーランド首相が電話による首脳会談で文在寅(ムン・ジェイン)大統領に直接抗議するという異例の外交惨事が起こるなど、両国の外交問題に発展していた。
本紙は、被害者に対するいたわりの手紙や事件発生時の措置などに関する見解を聞こうと、該当の大使に数回連絡したが、大使は応じなかった。