6階の手すりにしがみつく男児を救った引っ越し屋さんのはしご車 /蔚山

引っ越し業を営む40代の隣人、「火事だ」の声を聞いて駆け付けて救助

 「火事だ、助けてください」

 今月29日午前5時40分ごろ、蔚山市中区聖安洞にある8階建てマンションの6階の一室から火が出た。部屋では夫婦と息子2人の4人家族が就寝していた。火事になると、長男のA君(14)はベランダの手すりにしがみついて助けを求めた。部屋の中で瞬く間に燃え上った火は、ベランダの外に真っ黒な煙を噴き出していた。救助が遅れたら最悪の事態になりかねない状況だった。

 「ブロロ…」。どこからかトラックの音がして、A君がしがみついている手すりにはしご車が近づいていった。運転席には、同じマンションに住むチンさん(47)の姿があった。チンさんは引っ越し業を営んでおり、家の前にはしご車を止めていた。この日、騒々しい物音で眠りから覚めるや、隣人を救うためはしご車を駆って現れたのだ。

 チンさんの活躍でA君は無事に救助された。背中に2度のやけどを負ったが、命に別状はなかった。A君の家族3人も、通報を受けて出動した消防の助けで無事に脱出した。

蔚山=朴柱栄(パク・チュヨン)記者
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