北朝鮮当局が、中朝国境から1キロ以内に接近する人物を「理由を問わず射殺する」という緊急布告文を発表し、安全員(警察官)らに実弾を支給したとの情報があるという。米国のラジオ放送「自由アジア放送(RFA)」が27日に報じた。今月初めの記録的豪雨で水害に遭っても外部の支援を拒否するなどコロナウイルス流入を極度に警戒する気運が、ますます強まる流れとなっている。
RFAによると、咸鏡北道の消息筋が26日「きょう午前、会寧市社会安全部(警察)から『朝中の国境安全地域1キロ内に入る対象については理由を問わず射殺する』という緊急布告文が伝えられた」とし「布告文の効力は新型コロナウイルスがなくなるときまで朝中の国境全域に適用される」と語った。さらにこの消息筋は「安全部では『現在わが国(北朝鮮)だけコロナウイルスが広まっておらず、敵は国境を通してウイルスをわが方の内部に浸透させようとしている』と強調した」「国境地域の安全員にも実弾を供給したと公表した」と伝えた。今回の布告文は、咸鏡北道だけでなく平安北道・慈江道・両江道など中朝国境全域に適用されるもので、安全部当局者が住民らを集めて直接読みあげた-とRFAは報じた。
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一方、北朝鮮の『労働新聞』は27日、平壌総合病院の建設、漁郎川3号発電所の建設、洪水被害の復旧を「党が定めた期日」中に終わらせるようせきたて「こんにちの総進軍において最大の敵は惰弱さと他人に対する依存心」と記した。
北朝鮮の事情に詳しい消息筋は「年末から強調してきた『自力更生』『自力富強』の基調を再確認したもので、コロナ拡大に対する警戒心もうかがえる」と語った。