物々交換という形態の交易を通じ、南北交流協力再開の糸口にしようとした韓国統一部(省に相当)の李仁栄(イ・インヨン)長官の構想が難関にぶち当たった。韓国の砂糖と北朝鮮の酒を交換するため、すでに契約まで締結した北朝鮮の企業が国連の制裁対象だったことが分かったからだ。
国家情報院は今月20日、韓国の民間団体「南北経総統一農事共同組合」と物々交換契約を結んだとされる北朝鮮の「開城高麗ニンジン貿易会社」について、「国連安保理の制裁対象であることを確認した」と国会情報委員会に報告した。北朝鮮側の契約当事者であるこの人参会社は、国連制裁対象である労働党39号室の傘下機関だという。
これに先立ち南北経総統一農事共同組合は、1億5000万ウォン(約1330万円)相当の北朝鮮酒35種を砂糖167トンと交換する契約を北朝鮮のニンジン会社と締結し、統一部に物品の搬出・搬入の承認を要請していた。先月就任した李長官は、北朝鮮のビールと韓国の米を交換する方式の「小規模交易」を通じ、南北交流を再開させる計画について説明してきた。