GSOMIAいつでも終了可能と言いながら、裏では「忠実に履行せよ」

文大統領、GSOMIAめぐり特別指示

 韓国政府は連日、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「いつでも終了することが可能だ」との立場を示しているが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は実際には「GSOMIAを忠実に履行せよ」という趣旨の指示を下していたことが5日までに分かった。表面上は日本に対して強硬一辺倒の立場を頑なに守っているように見えるが、裏ではこれとは異なり韓日関係悪化を意識したかのような行動を取っているわけだ。

 国防部が野党・未来統合党のペク・チョンホン議員に提出した「大統領の指示事項の推進実績」によると、文大統領は4月1日「韓日GSOMIA協定義務履行」と題する指示を下した。指示文には「日本がGSOMIAに基づいて北朝鮮のミサイル情報を3度にわたり要求している」「われわれはGSOMIAが終了する瞬間まで義務を果たし、資料を送付する」との内容が盛り込まれていた。

 大統領の指示が下された4月1日は、北朝鮮が江原道元山一帯から短距離弾道ミサイル2発を東海沖に発射した日の2日後だった。北朝鮮は当時、3月だけで9発のミサイルを発射するなど挑発を続けており、韓国軍は「GSOMIAに基づいて日本に情報を提供しているのか」との質問に「日本側の要請があれば応じる」と原則的な立場だけを述べていた。

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 国防部は大統領の指示に対し、四半期別の詳細な推進計画を立てた。国防部は「日本側が情報交換を要請した場合、韓日間の情報交換を積極的に検討し、迅速に実施する」として、推進実績について「第1四半期(1-3月)と第2四半期(4-6月)に、情報交換要請に基づく韓日間の情報交換を実施した」と明らかにした。

 しかし国防部や外交部をはじめ韓国政府は、その間もGSOMIA関連の質疑があるたびに「いつでも協定は破棄できる」と述べていた。国防部は7月、日本が防衛白書に韓国のGSOMIA終了決定について「韓国の戦略的決定と評価する」との内容を盛り込むと、日本の武官を呼んで遺憾の意を伝えた。外交部も4日、GSOMIAに関する質疑で「日時に関係なく、わが国政府がいつでも終了することが可能」と述べていた。

 ペク・チョンホン議員は「表向きには反日感情をあおり、わが国の安全保障と直結するGSOMIAを今すぐにでも破棄できるような言い方をしているが、実際にはこれとは異なる行動を取っている」として「外交関係を国内政治に利用する振る舞いは止めるべきだろう」と述べた。

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ヤン・スンシク記者
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