米国が在独米軍およそ1万2000人の削減計画を公式発表したことを受け、30日には「在韓米軍削減の可能性が高まった」という懸念の声が韓国政府内外から上がった。とりわけ、ドナルド・トランプ大統領が在独米軍削減の背景として「これ以上『カモ』になりたくない」と、防衛費分担規模を巡る不満をぶちまけた状況下、分担金交渉の膠着(こうちゃく)により「収金」が容易でない韓国もまた米軍削減の対象になるだろうという見方がある。韓国国防部(省に相当)は「在韓米軍削減の議論はない」としているが、韓国軍からは在韓米軍の中心的戦力とされるアパッチ大隊の撤収説まで出てきた。
米国務省はこの日、「ジェームズ・ディハート防衛費分担金交渉代表が北極圏調整官にポストを移した」と発表した。外交関係者の間からは「収金失敗に伴う、更迭といえる人事」という声も上がった。後任者の話はなかった。今後もしばらくは防衛費分担金交渉が漂流する可能性が高まったのだ。外交消息筋は「防衛費に対する不満で在独米軍削減カードを切り出したトランプ大統領が、韓国に対して同一の選択をしても全くおかしくない状況」と語った。
米国は最近、防衛費分担金交渉の公式チャンネルではない外交ラインを通して、有効期間3年で毎年13%前後の引き上げ率を適用する案を韓国側に打診したといわれているが、韓国側が関心を示したかどうかは不透明だ。ワシントンのある消息筋は29日(現地時間)、「スティーブン・ビーガン国務副長官が(今月7日から9日にかけての訪韓の際に)、韓国の防衛費分担金を1年目に13.6%引き上げる有効期間3年の提案を行ったらしい」と語った。今年4月末の交渉決裂当時、韓国政府は、協定の有効期間を5年として1年目に13%引き上げ、以後4年間で毎年7-8%引き上げる案を「最終案」として提示した。