軍事専用通信衛星打ち上げ…韓国、世界で10番目の保有国に

打ち上げから38分で最初の信号を受信、韓国軍の単独作戦能力向上

軍事専用通信衛星打ち上げ…韓国、世界で10番目の保有国に

 韓国軍初の軍事専用通信衛星「アナシス(ANASIS)2号」が21日午前、成功裏に打ち上げられた。これで韓国は世界で10番目の、軍事専用通信衛星保有国になった。

 防衛事業庁(防事庁)は「21日午前6時30分(現地時間20日午後5時30分)、軍用通信衛星『アナシス2号』が米国フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から、スペースX社のファルコン9ロケットで成功裏に打ち上げられた」と発表した。アナシス2号は高度630キロでロケットから切り離され、打ち上げから38分で最初の信号の受信が実現した。午前8時19分(韓国時間)にはフランスのツールーズにある衛星管制センター(TSOC)と信号をやりとりする最初の交信に成功したことも、防事庁が明らかにした。

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 アナシス2号は、およそ8日後に静止軌道(高度およそ3万6000キロ)へ占位する。衛星が静止軌道に上がれば、公転周期が地球の自転周期と同一になり、地球から見るとずっと静止しているように見える。24時間365日、韓半島上空で任務を遂行するという意味だ。静止軌道占位後は、3カ月程度の点検期間を経て韓国軍に引き継がれ、本格的な任務遂行に活用される。ただし、実際に軍の任務を開始するのは来年初めと予想されている。国軍指揮通信司令部は、国防科学研究所が開発中の新型軍用端末機とアナシス2号間の通信・セキュリティー性能実験を年末まで実施するといわれている。一種の試験運用期間を過ごすわけだ。

 アナシス2号打ち上げ成功により、韓国軍は情報処理速度、電波妨害対応機能、通信可能距離などが向上した初の軍専用通信衛星を持つことになった。これまでは民軍兼用衛星の「ムグンファ5号」を用いて軍通信システムに活用してきたが、軍専用ではないため、敵の電波かく乱攻撃などに弱いことは避けられなかった。

 韓国軍は今回の衛星打ち上げで、通信の死角地帯が解消されるとも期待している。現在韓国軍は、衛星を利用した部隊間通信、部隊・将兵間通信、将兵間通信システムを構築している。韓国軍関係者は「軍専用の通信衛星の確保で、韓国軍単独の作戦遂行能力が向上するものと期待している」と語った。

 アナシス2号は、韓国空軍のF35Aステルス戦闘機40機配備に伴ってロッキード・マーチン社と結んだ「折衷交易」(Offset。武器の販売に付随する反対給付)によって提供されたもの。

ユ・ヨンウォン記者
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