8日、東京都新宿区若松町にある東京韓国学校の本館地下。太陽の光がほとんど入らない地下多目的教室のドアを開けると、嫌なにおいが鼻を突いた。ことのころ東京で雨が降り続いているため、地下室特有のにおいがするのだ。教室不足のため既存の地下会議室を区切って作った教室の一つだ。韓国はもちろん、日本でも子どもたちの情緒を考慮して、よほどのことがない限りこのような「地下教室」は作らない。
韓国人小中高生1400人が約6000平方メートルの敷地に建つ校舎2棟で学校生活を送る東京韓国学校は非常に手狭だ。約50平方メートルの初等部(小学校)教室では机がガタついていた。校庭の広さも縦50メートル×横60メートルに過ぎない。「サッカー絶対禁止」が学校の規則だ。施設環境は劣悪だが、同校に入るのは難しい。小学校課程は100人以上が待機中だ。郭尚勲(クァク・サンフン)校長は「狭い空間で生活する児童・生徒たちを見ると、いつも申し訳なくて胸が痛む」と言った。
5日に小池百合子東京都知事(67)が再選を果たしたことから、同知事が阻んでいる「第2韓国学校」設立問題があらためて注目されている。 1954年に開校した同校は日本で唯一、韓国の教育法に基づいて教えられている学校で、在日韓国人社会のアイデンティティーを象徴する存在となった。しかし、慢性的な過密問題に悩まされ、呉公太(オ・ゴンテ)現理事長(元在日本大韓民国民団〈民団〉団長)が中心になって別の場所に韓国学校をさらに建てる案を推進してきた。