韓国政府の不動産政策に対する批判が与党内で広がっている。与党寄りの有力市民団体の参与連帯は29日、青瓦台前で記者会見を開き、文在寅(ムン・ジェイン)政権の不動産政策が事実上失敗したとして、政策転換を求めた。参与連帯は文在寅政権が3年間で21回の不動産対策を発表したが、その場しのぎの「ピンセット規制」(特定の過熱地域や需要者に絞った規制)と行ったり来たりする政策推進で住宅価格が依然揺るがされていると指摘。参与連帯のイ・チャンジン執行委員長は「所得主導成長は『不動産不労所得成長』だと皮肉られてきた」と話した。
仁川市も批判の列に加わった。仁川市長は民主党出身で盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領に近かった朴南春(パク・ナムチュン)市長だ。仁川市は28日に発表した報道資料で「人が住んでいない実尾島まで調整対象地域になった点で、今回の6・17対策の不当性と非現実性を強く訴えた」と述べた。仁川市は30日に管内の基礎自治体などの意見を集約した上で、7月にも不動産対策改善案を政府に提言する方針だ。仁川市の基礎自治体のうち、江華郡、甕津郡を除く全地域を調整対象地域に指定した政策の撤回を政府に求めた格好だ。
盧武鉉政権で青瓦台の広報首席秘書官を務めた趙己淑(チョ・ギスク)梨花女子大教授は、文在寅政権の不動産政策を批判した自身のフェイスブック投稿を2日後に削除した。一部の文在寅支持勢力が「反逆者」だと露骨な非難を浴びせたためだとみられる。陳重権(チン・ジュングォン)元東洋大教授は同日、一連の動きについて、「パブロフの犬がベルの音を聞いて唾液を出すように、文在寅支持勢力も批判という刺激にああいうふうに反応する」と指摘した。
趙教授は27日、フェイスブックに投稿した「賢い賃貸生活」という文章を削除した。削除理由は説明していない。それに先立ち、趙教授は文章の中で、政府の不動産政策を批判し、「日本のように韓国も住宅価格が暴落するから、家の買わずに待つべきだ」と発言。そして、「日本のニュータウンの没落を首都圏集中度が高い韓国に当てはめたことは常識的に話にならない。大統領がブレーンから過去の誤った神話を学習したのだな、大変なことになると思った」などと持論を展開していた。