文大統領批判の壁新聞に有罪…「独裁政権でもなかった判決」

学校側「処罰望まない」とするも大学構内への無断侵入罪適用

 建造物侵入罪は建物の管理者の意思に反し、建物に侵入することで成立する。警察は当初「大学当局の通報を受けて出動した」と説明していた。しかし、21日の裁判に証人として出廷した檀国大天安キャンパス関係者は「通報はしておらず、『類似する事例があれば知らせてほしい』という警察の依頼に従い、業務協力として通知しただけだ」と証言した。同関係者はさらに、「壁新聞で被害を受けたわけでもなく、Kさんの処罰を願わない。表現の自由がある国で裁判までいく問題かどうかも分からない」と述べた。

 裁判所による有罪宣告の根拠は「壁新聞を張るには学校当局の許可を得なければならない」という大学の内部指針だという。壁新聞の掲示許可を得ていなかったので、大学への出入りも違法だと判断したとみられる。その上で、「表現の自由」というKさんの主張を考慮し、罰金を半額に減額したとされる。

 今回の事件について、法律専門家は「大学の壁新聞は言路が閉ざされた権威主義時代の唯一の表現手段だった。大学当局の許可を受けていないケースが大部分だった。その行為だけで処罰したことはなかったと思う」と話した。別の法律専門家は「現在はなくなった『国家元首侮辱罪』が別の形態で復活したようだ」と話した。

 Kさん側のイ・ドンチャン弁護士も裁判所に提出した意見書で、「現政権の主軸である市民運動勢力出身者が過去に壁新聞を張ったのは表現の自由、民主化運動であり、Kさんの壁新聞は建造物侵入罪なのかと問いたい」と主張した。その上で、文大統領が2017年に大統領候補だった当時、放送番組で「国民はいくらでも権力者を批判する自由がある」と発言した部分を参考資料として添付した。

ヤン・ウンギョン記者
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