韓国政府は21日、軍艦島(端島)など日本の近代産業施設23カ所で構成する「明治日本の産業革命遺産」世界文化遺産登録取り消しを求める内容の文化体育観光部長官名義の書簡を今月中に国連教育科学文化機関(ユネスコ)側に送付することを決めた。
これは、日本が先日開館した「産業遺産情報センター」の軍艦島関連の展示で、韓国人強制労働の事実を記載するという約束を守らなかったことに対し、正式に対応に乗り出したものだ。
同部の朴良雨(パク・ヤンウ)長官は18日、国会文化体育観光委員会所属の共に民主党対象懇談会業務報告で関連質疑を受け、「外交部とは別に書簡などを通じて強く対応する予定だ」という趣旨の回答をした。
日本政府は2015年の軍艦島ユネスコ世界文化遺産登録時、「本人の意思に反する韓国人強制労働」を認め、犠牲者をたたえる内容が含まれるインフォメーション・センター設立を国際社会に約束した。しかし、日本政府は先日開館した施設でこれを守らず、むしろ展示で「韓国人差別はなかった」という証言を紹介して外交的に物議を醸した。
文化財庁の鄭在淑(チョン・ジェスク)庁長も「23日に日本に職員を派遣し、歪曲(わいきょく)関連の事実把握に乗り出す予定だ」と業務報告の席で答えた。同庁長は「これまで、このような理由で登録を取り消した前例がなく、構成国の3分の2以上の同意がなければ取り消しできない。実際の登録取り消しは容易ではないだろう」とも述べた。
与党内でも、日本が当初約束した後続措置の誠実な履行を促す国会レベルでの決議案提出の話が出ている。文化体育観光部関係者は「日本側の反応を注視している。関係部処(省庁)協議を通じて、日本側の約束履行のための措置を取っていく」としている。