韓国女性団体連合(女連)が24日「(慰安婦被害者支援施設の)『ナヌムの家』は各種の疑惑を透明に明らかにし、当局は責任をもって問題解決に取り組め」との声明を発表した。類似の内容の内部告発にもかかわらず、与党「共に民主党」の尹美香(ユン・ミヒャン)次期国会議員が代表を務めていた正義記憶連帯(正義連)については3度にわたり擁護の立場を表明しており、今回はそれとは異なる反応だ。チン・ジュングォン元東洋大教授はこの日「各女性団体が(慰安婦被害者の)おばあさんの味方をせず、真相把握もまだだというのにまずスクラムを組んで執権与党の当選者を擁護している」と批判した。
女連は25日、ホームページに声明を掲載し、このところ後援金の流用・横領疑惑に揺れる慰安婦被害者支援施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)に対して批判の立場を明らかにした。女連は声明で「(慰安婦被害者の)おばあさんたちのためという名目で莫大な後援金が募金されたが、おばあさんたちのための治療・福祉などには使われていないという告発があった」として「一連の疑惑は必ず究明されなければならない」と主張した。
これに先立ち「ナヌムの家」の職員7人は19日「ナヌムの家法人は、おばあさんたちのためにとの名目で莫大な後援金を集めているが、おばあさんたちのためには適切に使っていない」と批判する声明を出したが、女連はこれに対する立場を表明したわけだ。
女連のこのような対応は、最近論議を呼んでいる正義連と尹美香氏に対する立場とは明らかに異なり「ダブルスタンダード」との批判が出ている。今月7日、慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんは大邱市内で記者会見を開き「尹美香氏と正義記憶連帯は後援金を集めておきながら、慰安婦被害者のためには適切に使っていない」と批判していた。
女連は今月12日に出した最初の声明で「国内初のMeToo運動だった旧日本軍慰安婦運動を分裂させ毀損(きそん)しようという動きに強い憂慮を表明する」として「政府と市民社会は日本軍性奴隷制問題の正当な解決のために各自の責任を全うしなければならない」という突拍子もない主張を掲げた。翌13日には(日本大使館前で行われる定例の)水曜集会で、類似の内容で正義連を擁護する声明を出した。
関連の論争が拡大し続けると、女連は14日、立場文を発表した。正義連をめぐって提起されている疑惑と論争の相当部分が事実と異なるか、大きく歪曲(わいきょく)されているとの内容だった。この立場文で女連は「正義連の会計について提起された疑惑は根拠がなく、悪意によって膨れあがっている」として「一部の会計処理の不備が確認されただけだ」として問題を小さく見せようとした。
チン・ジュングォン元東洋大教授はこの日午前、自身のフェイスブックに「民主御用賞」と題する文章を投稿し「34の女性団体が真相把握すらされていないのにまずスクラムを組み、執権与党の当選者を擁護している」として「御用団体、御用メディアらの労苦をたたえるために『民主御用賞』を制定してはいかがだろうか」と書いた。
チン前教授は「いつからなのか、彼らはおかしくなった」として「以前もある程度偏ってはいたが、最近はあまりに露骨で特定政党に偏っている」と批判した。