【萬物相】反米派の米国好き

【萬物相】反米派の米国好き

 米国のオバマ前大統領は、2008年の大統領選挙で勝利した直後、まず二人の娘が通う学校の物色から始めた。「公教育復活」を大統領選挙の公約に掲げたオバマ氏に、ワシントンの市長が「娘を公立学校に通わせ、公教育制度改革を争点化してほしい」と要請したという。しかしオバマ夫妻は「良質の教育」を理由に、年3万ドル(現在のレートで約320万円)の学費がかかる名門校に二人の娘を転学させた。民主党のクリントン元大統領、英労働党出身のブレア元首相も、子どもを私立学校に通わせ、「政治的信念と違う」「偽善者」と攻撃された。

 中国の政治指導者らも例外ではない。トウ小平、江沢民、温家宝、習近平、李克強などの子どもは皆、米国の名門大学を出た。「表で米国を批判し、裏では高いカネを払って米国に送る」という批判が流行した。穏やかならざる世論に、習近平主席は就任直後、ハーバード大学に通っていた娘に帰国を促したという。

 韓国国内の左派政治家・知識人もまた「公教育」「反エリート教育」を強調する。「民族共助」を叫び、「反米感情」に頼って生涯を過ごしもする。ところが子どもらとなると、米国の大学に送って勉強させたり、さらには米国の市民権者にしたりもする。姜禎求(カン・ジョング)元東国大学教授は、6・25南侵を「統一戦争」と呼ぶほどに親北活動を繰り広げた。米国の参戦も猛烈に非難した。だが二人の息子を米国の高校・大学に通わせた。現政権でも、こういう人物は一人や二人ではない。

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