【寄稿】21世紀の親中事大主義が屈辱的な理由

【寄稿】21世紀の親中事大主義が屈辱的な理由

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の外交安保政策は道を迷っており、類を見ない乱調ぶりを見せている。その結果、大韓民国は四面楚歌に追い込まれており、世界第12位の経済大国の国際的存在感は消え失せた。

 高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備に対する中国の反発を鎮めるため、国民の生命と安全を守る主権国家の基本権利を制限する「3不合意」を受け入れる、という屈辱を自ら招き入れた。こうした中国の覇権的な横暴に対抗するために手を取り合って協力していかなければならない日本とは、名分も実利も勝算もない血みどろの戦いを繰り広げている。韓米同盟は不通と不信で根幹が揺さぶられている。3度の南北首脳会談で、国民が平和の幻想に酔いしれている間、北朝鮮は平和を破壊する能力の強化に向け取り組んできた。このような北朝鮮のために制裁を解除しようと躍起になり、南北軍事合意書で北朝鮮軍の動向に対する監視・偵察までも放棄したにもかかわらず、北朝鮮は感謝するどころか露骨な軽蔑と嘲笑で報いている。一時、20カ国・地域(G20)の首脳会議と核安全保障サミットを主催した国の国際的地位と発言権は跡形もなく消え去ってしまった。

 大韓民国の外交安保がこのように没落するようになった原因は多々あるが、脅威の認識(threat perception)に対する誤りが最も大きな原因とされている。脅威の認識とは、われわれの生存と安全に対する脅威がどこからやって来るのかを「認識」することだが、これに過ちが生じると敵と同志を混同し、警戒すべき国と親しくすべき国の区別が付かなくなる。外交安保政策を決めるのは実際の脅威ではなく、脅威に対する認識だ。そのため、実存する脅威と認識する脅威の間の開きが拡大すればするほど、政策は安保の利害関係と懸け離れた場所で決定されるようになる。

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