「韓国原子力研究院から流出した放射性物質、環境への影響は微々たるもの」

原安委「放射能ほとんど検出されず」

 韓国の原子力安全委員会(原安委)が20日、「昨年9月に原子力研究院で発生した放射性物質の流出が外部環境に及ぼす影響は微々たるもの」とする調査結果を発表した。原子力研究院は昨年末に独自点検を行った結果、正門前の河川の土壌から通常より高い濃度の「セシウム137」を検出し、昨年1月に原安委へ報告。このときから調査が進められてきた。

 調査の結果、放射性物質の流出に伴う研究院周辺の環境への影響はほとんどなかった。原子力研究院と韓国原子力安全技術院(KINS)の調査の結果、研究院と周辺河川で放射能はほとんど検出されなかった。放射性物質が全て外部に放出されたと仮定しても、一般人が一年間に浴びる放射線被ばく量の300万分の1から3700分の1というレベルだと判明した。

 流出原因は、研究院内の「自然蒸発施設」の設計が承認されたものとは異なるせいだったことが明らかになった。自然蒸発施設は、地下1階の地下貯蔵層に貯められた液体放射性廃棄物が3階まで上って行ってまた地下の貯蔵層に戻る際、太陽熱で水が蒸発するという構造の施設だ。だが地下1階には地下貯蔵層のほか、別の排水タンクがあり、ここを経由して外部に流出した。1990年8月から30年間、毎年470-480リットルがこの排水タンクを経由して外部に漏れたことが確認された。また昨年9月には、運用者の運転未熟によりおよそ510リットルが外部に漏れた。

 原子力研究院は謝罪文を発表し、「対策を立てたい」と表明した。

ユ・ジハン記者
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