「李青天まで生体実験」…日本の蛮行資料示し、米国立衛生研究所を5年間毎週説得

 「日本帝国主義の731部隊は韓国の著名な詩人である尹東柱(ユン・ドンジュ)と独立闘士で英雄である李青天(イ・チョンチョン)などの韓国人収監者や民間人に生体実験という蛮行を犯した」

 米国をはじめとする全世界の科学者30万人余りが教育を受ける米国立衛生研究所(NIH)の教材の一部内容だ。これは科学者一家である米ペンシルベニア大医学部のチョ・バク教授の家族による5年を超えるたゆまぬ努力があったからこそ、掲載にこぎ着けられた。

 731部隊は第2次世界大戦当時、日本が中国のハルビンに駐留させていた細菌戦部隊だ。1936年から45年までの戦争捕虜、拘束者3000人余りを生体実験の対象とし、さまざまな細菌実験や薬物実験を行った。40年以降は毎年「マルタ」600人が生体実験に動員されたと推定されている。マルタは人体実験対象者を指し、日本語の「丸太」が語源だ。

 チョ教授は2014年、ロックフェラー大でポストドクター研究員を務めていた当時、NIHの研究倫理講義を受講した。教材年報の1939-45年編には第2次世界大戦当時にドイツ軍がユダヤ人に対して犯した生体実験が記録されていた。「ドイツの科学者は収容所の捕虜を体が凍るほどの低温に置き、気圧を下げたり、放射線や電気を加えたり、伝染病に感染させたりするなど極悪非道な研究を行った。連合軍はドイツの科学者を戦犯として処罰した」との内容だ。

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者
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  • ▲米ペンシルベニア大医学部のチョ・バク教授(写真大)は科学者である兄弟、母親と共に5年を超える努力の末、米国立衛生研究所(NIH)の研究倫理年報に第2次世界大戦当時の日帝による人体実験の蛮行記録を掲載させることに成功した。写真の下部は左から韓医師で研究員の母親パク・インエ氏、医師で研究員の兄チョ・イン氏、ハーバード大医学部教授の弟チョ・ユン氏/チョ・バク氏提供

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