イラン外務省「原油代7兆ウォン支払え」…韓国外交、中東でも非常事態

 事態の悪化を受け、韓国外交部は先月25-27日にかつてイラン大使を歴任したソン・ウンヨプ韓国国際協力団(KOICA)理事をイランに派遣した。当時韓国外交部はソン氏が率いる使節団を「経済協力代表団」と説明し、通常の外交交流のように装った。しかしソン理事には何の権限もなかったため、この対応は逆にイラン政府の怒りに油を注いだようだ。

 韓国外交部は「イラン側の立場は理解する」としながらも「米国の制裁によってイランの求めには全て応じられない」と説明している。ユ大使もソン理事もイラン政府関係者に対し「最近米国の制裁が強化され、韓国の企業も銀行も完全に萎縮している」と説明したという。外交部は制裁対象になっていない品目の輸出入代金については早期に決済ができるよう米国側と協議を行う意向も伝えた。

 今回の事態は今年5月、韓国が米国から「イラン制裁の例外国」として認められなかった時から事実上予想されていた。当時、韓国は他の例外国とは違って制裁対象になっていない超軽質原油だけをイランから輸入していたため、韓国外交部は「韓国は例外国の延長が認められる可能性が高い」と自信を持っていた。ところが蓋を開けてみると例外国にならなかったため、韓国の企業と銀行は米国による制裁の影響をまともに受けてしまい、韓国とイランの貿易も事実上の「断交」レベルとなってしまった。企業銀行もウリ銀行もイラン中央銀行名義となっているウォン口座を事実上凍結し、貿易代金の決済も中断した。

 イランとの対立はホルムズ海峡への派兵問題も重なり、今後さらに悪化する可能性が高い。イランのロウハニ大統領は今年9月末の国連総会での演説で「(ホルムズ海峡に)外国の軍隊が駐留すれば、航海と石油運搬の安全が脅威にさらされる」と述べ、ホルムズ海峡の警備にあたる米国など各国による有志連合の結成に反対した。イランは先日韓国船を拿捕したイエメンの反政府武装勢力、レバノンの武装勢力ヒズボラ、イラク政府などと緊密な関係を維持している。これについてある外交部OBは「韓国政府は今からでもしっかりと対処し、関係悪化を防がねばならない」と指摘した。

ノ・ソクジョ記者
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