問題となった映像は1年生のAさんが撮影したものだ。映像にはランニング行事で教師が「日本強制侵略に反対する」というスローガンを先に叫び、生徒らに唱和させる様子、生徒が「安倍自民党は滅びる」「倍返ししよう」などという反日スローガンを叫ぶ様子が映っている。教師と生徒はモザイク処理されており、画質も鮮明ではなく、顔は容易に識別できない。チェさんが映像公開に当たり、他の生徒20人余りと共同で「仁憲高の生徒は政治のおもちゃではない」というタイトルの声明を発表したことが騒動の始まりだった。
生徒らによると、Aさんは映像を公開して以降、教師を擁護する生徒らから集団でいじめを受けたため、転校手続きを進めている。加害生徒はAさんの机に「お前のせいで仁憲高が悪口を言われている」「学校を台無しにした」などと落書きをし、クラスの活動でも無視されたという。同校の生徒は「Aさんしたことと同じ行為をチェさんにもやっている」と話した。
仁憲高はチェさんに関する学校暴力対策自治委の開催について、「手続き上の問題はない」との立場だ。現行の学校暴力予防法が暴行、傷害のほか、名誉毀損、侮辱なども校内暴力と規定しているからだ。同校関係者は「生徒が校内暴力問題を提起した場合、『明らかに校内暴力とは言えない場合』ではない限り、委員会を開かなければならない。チェさんの事案についても、学則と教育庁の校内暴力規定に従い、公正に処理している」と説明した。