反日集会での口論をきっかけとする暴行事件で立件された45歳男性と70歳女性が検察での調停に臨んだ際、姓と本貫(氏族の発祥地)が同じ「同姓同本」と分かり、劇的に和解するという韓国らしい一幕があった。
4日にソウル中央地検で行われた刑事調停には、それぞれ暴行容疑で立件された45歳の男性と70歳の女性が出席した。いずれも姓は「白(ペク)」だった。刑事調停とは検事が起訴などの刑事処分に先立ち、告訴人と被告訴人に和解を促す手続きで、ささいな争いや少額の財産犯罪などで行われる。2人も単純な暴行容疑だった。
出席した刑事調停委員によると、2人は今年8月、ソウル市の光化門近くで開かれた反日集会で警察に立件された。日本製品の不買運動に対する賛否を巡って口論の末、2人は互いをスマートフォンで撮影した。その過程で撮影をさせまいとして小競り合いとなり、女性が転倒した。女性は眼鏡のフレームが折れただけで、けがはなかったという。それでも憤慨していた2人は警察で和解できず、結局起訴相当で検察に送致された。検察は暴行の程度が軽く、和解の余地があるとして、事件を刑事調停委員に委ねた。
刑事調停で2人は互いの非を責め、口論をしていたという。事件当日にそれぞれ撮影した画像を提出し、責任は相手にあると主張した。女性の白さんは「息子のような歳で偉そうにたてつくな」と言い、男性の白さんは「あなたに過ちがある」と譲らない。調停委員として出席した弁護士と労務士が和解を促しても駄目だったという。