屋内の仕上げ材・コンクリートから出ているもよう
一部の団地は勧告値の2.4倍以上
韓国国内の新築マンション10棟中6棟で、1級発がん性物質のラドンが基準値を超えて検出された。26日に国会環境労働委員会の李貞味(イ・ジョンミ)議員(正義党)が環境部(省に相当)から受領した韓国国内の新築マンションにおける屋内ラドン調査の資料に表れた結果だ。同資料によると、国立環境科学院は韓国首都圏および忠清道地域で、昨年11月から今年5月までの間に竣工したマンション9団地60戸で屋内ラドン濃度を測定した。その結果、37戸(62%)で世界保健機関(WHO)勧告基準の1立方メートル当たり148ベクレルを上回る値を検出した。ある団地では、ラドンの平均濃度が勧告値の2.4倍にもなる1立方メートル当たり345ベクレルを検出したというケースもあった。
ラドンは気体の状態で空気中に存在しているが、人が吸い込むとたばこを吸っていなくても肺がんを誘発しかねない1級発がん物質だ。WHOは「肺がん患者の3-14%はラドンのせいで発病していると推定される」として「基準値以上のラドンを吸入したらがんにかかる危険性がある」と発表している。
ラドンは、屋内で使われる一部の仕上げ材や、コンクリートそのものから検出されると推定されている。今回の調査に先立ち、全州のあるマンションの浴室でラドンが勧告基準値の20倍に達する1立方メートル当たり3000ベクレルまで検出されるなど、韓国各地のマンション団地で基準値以上のラドンが検出され、「ラドン・マンション恐怖」が生じていた。
だが韓国政府は「ラドン・マンション」に対し、これといって手が打てない。現行の室内空気質管理法によると、事業承認が昨年1月以降に出たマンションは室内ラドン濃度が1立方メートル当たり200ベクレル、今年7月以降に出たマンションは同148ベクレルを超えてはならないと勧告してある。だが昨年1月より前は規定がなく、その後も勧告事項にすぎないので、建設会社が基準に違反しても別に制裁条項はない。このため、ポスコ建設が手掛けたあるマンション団地の入居者が「トイレの棚や玄関の足置きの石などからラドンが検出された」として交換するよう要求したが、会社側がこれを拒否して論争が起きている。今回調査されたマンション団地は、まだ住民が入居する前の状態だ。環境部は、財産価値が落ちるなど論争が生じる可能性があるとして、当該団地の名前を公開しなかった。