定年延長・定年廃止・退職者再雇用…韓国政府が日本式「継続雇用制度」検討

 韓国政府は少子高齢化で働く人が減少することに備え、日本式の定年延長策を中長期の課題として検討することにした。日本は2006年に継続雇用制度を導入し、企業に▲65歳まで定年延長▲定年廃止▲退職者の再雇用という3つの選択肢を与え、事実上定年を65歳に延長した。

 韓国政府は18日、洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が経済活力対策会議を開き、「人口構造変化対応方案」を発表した。最も目を引くのは「日本式定年延長」だ。韓国よりも先に高齢化を経験した日本は継続雇用制度を導入し、高齢者の雇用を増やした。2018年の日本の厚生労働省による調査では、31人以上の事業所約16万カ所のうち。退職者や従来の従業員を再雇用したのが79.3%、定年延長が18.1%、定年廃止が2.6%だった。企画財政部関係者は「定年の廃止や延長は年功制によって人件費負担が増すため、負担が軽い再雇用を選択するケースが多かった」と指摘した。

 しかし、制度が実際に導入されるかどうかは不透明だ。洪副首相は「学識者を中心に定年に対する社会的論議が必要だという意味であって、政府レベルで課題化する段階ではない」と述べた。政府は日本式の定年延長を実施するかどうかの検討を2022年から始める方針だ。焦眉の急である定年延長問題について、現政権は任期中には結論を出さないことになる。

 高齢者雇用の短期的な対策も今回の方案に盛り込んだ。政府は来年、296億ウォン(約27億円)の予算を投じ、定年が過ぎた勤労者を継続雇用する企業に支援金を支給する「高齢者継続雇用奨励金」を新設する。60歳以上の勤労者を多く雇用した事業主に支援を行う「高齢者雇用支援金」は今年の四半期当たり27万ウォンから来年は30万ウォンに増額される。

 生産年齢人口を増やすため、外国人を積極活用することも決めた。誠実に働いた外国人労働者の就労ビザが満了した場合、3カ月後に再入国できる制度(誠実再入国制度)を改善し、再入国までの期間を短縮する方針だ。人口減少地域に住む外国人熟練技術者には長期ビザを発給する計画だ。

 韓国政府は人口減少で軍入隊者が減少することに備え、軍の人員体制を改善することを決めた。軍を偵察衛星など先端科学技術中心の戦力構造に再編し、常備兵力を削減する。ただ、洪副首相は「募兵制を導入する案は今後の対策には含まれていない」と断った。

キム・ソンモ記者
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