韓国政府が税金をつぎ込む短期雇用政策で労働市場がゆがめられ、最近は雇用率と失業率が同時に上昇する怪現象が起きている。雇用率と失業率は正反対の動きを示すのが一般的だ。しかし、7月の雇用率は61.5%、失業率は3.9%で、前年同期に比べいずれも0.2ポイント上昇した。失業率は2000年以降で最も高く、失業者数は1999年以降で最高の109万7000人だった。特に60歳以上の失業者が昨年の10万人から13万1000人へと急増した。高齢者は大半が働く意思のない非経済活動人口に分類され、失業者には含まれないが、政府の高齢者雇用事業に参加しようとする人が増え、失業者が増えたというのが統計庁の説明だ。
青年層(15-29歳)でも同様の現象が見られ、雇用率は44.1%で前年同期を0.5ポイント上回り、失業率も9.8%で0.5ポイントの上昇だった。7月の青年層の失業率は通貨危機当時の1999年(11.5%)以来で最も高い数値だ。特に青年層の体感失業率は過去最高だ。これは青年層の雇用増加の大半が内実を伴わない雇用であることを示している。体感失業率は失業者、就職意思があるが積極的な就職活動を行わない人、短時間働き、それ以上就業の意思がない人などを全て含む広義の失業者と見なす概念だ。7月の青年層の体感失業率は23.8%で、統計を取り始めた2015年以降で最高を記録した。青年の4人に1人が事実上の失業者であり、不安定な職業に就いた青年がそれだけ多いことを示している。
就職も就職活動もしない非経済活動人口のうち、特別な理由もなく働かなかった人も増加の一途で、7月には209万4000人を数え、前年同月を20万8000人上回った。03年に統計を取り始めて以降で最高だ。特別な理由もなく働かなかったと答えた青年層の人口も過去最大の37万2000人に達した。過去2年間に10万人も増えた。