ワシントン・ポスト紙が文書を入手
中国国営企業とも提携か
中国通信機器大手の華為(ファーウェイ)が北朝鮮で商業用の無線ネットワークを構築し、メンテナンスにも極秘で関与してきたことがわかった。米ワシントン・ポスト紙が22日(現地時間)付で報じた。これはファーウェイが米国による対北朝鮮制裁に違反していた可能性を示唆している。
ワシントン・ポスト紙はファーウェイの内部文書を根拠に、ファーウェイが中国の国営会社であるパンダ国際情報技術と共に、少なくとも8年にわたり北朝鮮で様々なプロジェクトを行ってきたと報じた。文書にはファーウェイとパンダ国際情報技術が協力し、北朝鮮に基地局やアンテナを設置するなど、北朝鮮の移動通信会社である高麗網のネットワーク整備やソフトウェアの設置などに関与したと記載されているという。
ファーウェイが北朝鮮とプロジェクトを行った時期は特定されていない。ワシントン・ポスト紙によると、北朝鮮は故・金正日(キム・ジョンイル)総書記が2006年に中国の深センにあるファーウェイ本社を訪問するなど、当時から3Gネットワークを構築してくれるグローバル企業を探すのに苦労していたという。その後、数年にわたりファーウェイとパンダ国際情報技術の関係者が平壌のホテルに滞在しながら作業を行ってきたようだ。ワシントン・ポスト紙はファーウェイが内部文書の中で北朝鮮を「A9」という暗号で表記していたとも報じた。
米商務省は2016年からファーウェイと北朝鮮の協力関係について調査を行ってきたという。米国の戦略物資輸出管理規則(EAR)によると、米国の技術や部品が10%以上使われている物資を北朝鮮やシリアなどに輸出する際には、米商務省の承認を受けなければならず、これに違反すると制裁対象となる。ファーウェイの通信機器に米国製の部品が占める割合はかなり高いと伝えられている。
もしファーウェイによる北朝鮮での事業が2017年9月以降も続いていた場合、これは明らかに対北朝鮮制裁違反となる。北朝鮮が6回目の核実験を行った後に採択された国連制裁決議2375号(2017年9月)は北朝鮮への投資、さらには北朝鮮との合弁事業そのものを禁止しているからだ。峨山政策研究院安保統一センターの申範澈(シン・ボムチョル)所長は「北朝鮮制裁違反の可能性が高い」とした上で「国連安保理の対北朝鮮制裁委員会による徹底した調査が必要だ」とコメントした。
イ・オクチン記者