韓国を訪れる外国人観光客の1人当たりの平均支出が減少し続け、10年前の水準に戻っていることが分かった。韓国文化体育観光部(省に相当)と韓国観光公社が18日に発表した今年第1四半期(1-3月期)の外国人観光客の実態調査結果によると、外国人観光客の1人当たりの平均支出は1268ドル(約13万7000円)だった。これは2010年の1224ドル(現在のレートで約13万2000円、以下同じ)以来の低水準だ。
外国人観光客1人当たりの平均支出は2000年代半ばまでは1200ドル程度だったが、2010年ごろから増加し始めた。しかし15年に1713ドル(約18万5000円)を記録して以降は4年連続で減少している。韓国観光公社の関係者は「16年下半期に終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題で中国人団体観光客が減少した影響が大きい」と述べた。主要国の中では日本人観光客の1人当たり平均支出が773ドル(約8万4000円)で最も少なく、中国人の支出額1735ドル(約18万8000円)の半分以下だった。
しかし、外国人観光客の支出減少は、中国人団体観光客の減少だけでは説明がつかない。日本、米国、香港の観光客についても今年第1四半期の1人当たり平均支出は前年に比べ3-7%減少した。外国人観光客の支出が減少している主な原因として、韓国の物価が高いことが挙げられる。英紙エコノミストの調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」によると、ソウルはシンガポール、パリ、香港などに続き、世界で7番目に物価が高い都市となっている。
リピーター(訪韓が2回目以上の人)の割合が高まっているのも1人当たりの支出が減少している要因だ。今年第1四半期のリピーター率は59.2%で前年同期(55.2%)より4ポイント高かった。韓国の観光関連企業の関係者は「韓国の商品は多様性に欠け、リピーターの興味を引かないのだろう」と指摘した。体験型の観光が増えているのも原因だ。買い物に集中する団体観光客よりも、公共交通機関で移動しながら韓国の文化を楽しむ個人旅行者が増えているのだ。
第1四半期の外国人観光客の平均滞在日数は6.9日で、0.1日減少した。旅行満足度は93.9%で、前年同期に比べ0.2ポイント上昇。慶熙大観光学科のイ・テヒ教授は「韓国の物価が高いことを知っている外国人観光客は、できるだけお金をかけずに旅行する。外国人観光客の滞在日数と支出を増やすためには、外国人の興味を引くような体験型の観光商品をもっと開発する必要がある」と指摘した。