韓米首脳電話会談の内容公開した外交官を罷免、野党は反発

 韓国外交部(省に相当)は30日に懲戒委員会を開催し、韓米首脳による電話会談の内容を保守系野党・自由韓国党の姜孝祥(カン・ヒョサン)議員に伝えたとされる駐米韓国大使館所属参事官の罷免を決定した。罷免は国家公務員に対する最高レベルの懲戒だ。外交部はこの日、趙世暎(チョ・セヨン)第1次官を委員長とする懲戒委員会でこの内容を正式に決めた。問題の参事官は「3級秘密」に相当する韓米首脳による電話会談の内容を高校の先輩である姜議員に伝えたとの理由で、懲戒委員会で処分が検討されていた。

 参事官の弁護士は懲戒委員会に出席し「現政権の外交政策に対する姜議員の否定的な認識を正すため、事実関係の一部と意見を慎重に伝えはしたが、対外的な秘密を積極的に伝えたわけではない」と主張した。しかし懲戒委員会は参事官の罷免を決定した。参事官の他にも「機密管理がずさん」との理由で調査を受けてきた別の外交部職員は減給処分を受けた。さらに別の外交部職員も中央懲戒委員会で処分が検討される見通しだ。一方で趙潤済(チョ・ユンジェ)駐米大使も調査を受けたが、懲戒の対象にはならなかった。外交部のある関係者は「(趙大使に対する)追加の取り調べは行われないだろう」と明らかにした。

 これらの処分について保守系野党・自由韓国党と中道系野党・正しい未来党は「康京和(カン・ギョンファ)長官と趙大使からまずは責任を追及すべきだ」として反発した。自由韓国党の黄教安(ファン・ギョアン)代表は、前日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「政権交代を目指す政党なら基本と常識を守るべきだ」と発言したことを念頭に「今、韓国で基本も常識も守っていないのは誰か」と反論した。正しい未来党の呉晨煥(オ・シンファン)院内代表も「文大統領はセキュリティー管理がずさんな康長官と趙大使をまずは処分すべきではないか」とした上で「文大統領も人ごとのような態度だ。以前からよく見られた幽体離脱話法に他ならない」などと指摘した。

ウォン・ソンウ記者
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