最近、外交・安全保障担当の政府部処(省庁)内では「すべてが『親文オゴン』(親文=親・文在寅派、オゴン=政党や選挙運動陣営で働いた後、どういう訳か公務員になった人、という意味)秘書官・行政官・政策補佐官の手を経ることになる」という声が聞かれる。この「オゴン人脈」が事実上、人事や政策の方向性を左右しているということだ。大統領府の勢力が大変強いため、陸軍参謀総長も「親文オゴン」行政官の顔色をうかがうしかないということだ。国防部は国軍機務司令部が作成した「戒厳文書」も民政首席秘書官室に報告していたことが分かった。軍の人事から秘密情報まですべてが大統領府秘書室に集まっている。朴賛珠(パク・チャンジュ)元陸軍第2作戦司令官(大将)や李載寿(イ・ジェス)元国軍機務司令官ら相次ぐ「積弊追求捜査」以降、軍は大統領府に何も言えない雰囲気になったと言われる。
このため、軍首脳部もすべてを大統領府の空気に合わせている。鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は先日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が訪韓することになった場合の韓国海軍哨戒艦「天安」爆破・沈没事件や延坪島砲撃事件に対する謝罪の必要性について、「我々が理解しながら未来に向かって進まなければならない部分がある」と言ったが、後になって「従来の見解に変わりはない」と事態収拾に乗り出した。大統領府が金正恩委員長の訪韓にこだわっているため、韓国兵士数十人の命を奪った北朝鮮によるこれらの挑発行為に対してもこうした発言が出たのだ。