なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか

戦争の象徴か、自衛隊の象徴か

なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか

 「戦犯旗を掲げた日本の軍艦が済州港に入港することは容認できない」



 今月10日から済州民軍複合観光美港(済州海軍基地)で開かれる「2018大韓民国海軍観艦式」に、日本の海上自衛隊の艦船がいわゆる旭日旗という海上自衛隊の旗(自衛艦旗)を掲げてやって来るというニュースが知れ渡ると、韓国国内では反発の世論が大きくなっている。韓国や中国など日本に侵略された国々にとって、旭日旗は日本帝国主義の象徴と認識されているからだ。一部の市民団体や元従軍慰安婦らが公に日本を批判し、旭日旗を降ろして入港するよう要求した。この問題が話題になると、今月2日には与党「共に民主党」の李錫玄(イ・ソクヒョン)議員が、旭日旗を掲揚した船舶が韓国領海に入るのを認めないことなどを盛り込んだ旭日旗禁止法案3件を代表発議した。観艦式の主催者である韓国海軍も手を貸した。観艦式に参加する14カ国に「参加する艦船に自国の国旗と太極旗(韓国の国旗)を掲揚して欲しい」と要請し、日本にも「韓国国民の感情を考慮して欲しい」という趣旨の立場を伝えた。結局、日本は5日、観艦式に参加しないと韓国海軍に通知した。論争が大きくなると、ソーシャルメディアでは「旭日旗は戦犯旗ではないのに、韓国だけが過剰に反発している」という反論まで出てきている。



(1)戦犯旗とは何か


 戦犯旗とは通称、侵略戦争を起こした犯罪者を意味する「戦犯」と、「旗」の字を合わせた単語だ。国立国語院によると、戦犯旗は韓国の標準国語大辞典に正式登録された単語ではない。ここ10年の間に韓国国内で作り出された新造語とみられる。また、法的・学術的に通用する概念でもない。国会図書館の所蔵資料中、戦犯旗に言及した韓国の学術論文は「0件」だ。戦犯旗という単語がメディアに登場し始めたのは2012年ごろ。それ以前は、韓国国内はもちろん戦犯国だった日本のメディアでも、戦犯旗という言葉が使われたケースはない。ヒトを指す「戦犯」という単語に、モノである「旗」を意味する言葉をくっつけるのは、語法の上では正しくないという指摘もある。



 旗を特定したものではないが、戦犯が使う象徴物を法律で禁止した代表的なケースがドイツだ。第2次世界大戦の主犯だったナチスの象徴「ハーケンクロイツ」の模様を旗や服などに使った場合、3年以下の懲役または罰金刑に処される。日本では、旭日旗の使用に対する処罰は特に行っていない。

クォン・スンジュン記者
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